アトピーなら知っておきたい「えごま油」の正しい知識

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Rato

中学生でアトピーが再発。
青春の10代20代の15年間はアトピーに苦しめられる。
薬による治療に限界を感じ、アトピーや健康に関する本や論文を読みあさり、1年でアトピーを治してしまった。
気づいたらアトピーのプチ専門家くらいの知識がたまり、アトピーで苦しむ方へ情報と経験を紹介している。

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前回に、リノール酸とオメガ3脂肪酸とアトピーの関係を紹介しました。

そして、オメガ3脂肪酸を豊富に含むエゴマ油を積極的に使うことをオススメしました。

しかし、ご存知の方もいると思いますが、オメガ3脂肪酸は、熱に弱くて酸化してしまうため、加熱調理に向かないとよく言われます。

そのため、ドレッシングにエゴマ油を使ったり、青魚を刺身などの生で食べることが、効率よくオメガ3脂肪酸をとる方法として知られています。

でも、オメガ3脂肪酸が全く加熱できないとなると、食事からとるのは、けっこう大変だと思います。

魚の刺身は、値段が高いし、賞味期限も短いから買いだめもできない。

ドレッシングに入れるのはいいけど、毎回作るのも大変だし、ほかの調理に使えれば便利なのに・・・。

こんなことを思ったわけです。

そこで、オメガ3脂肪酸って、本当に酸化しやすいのか、もしそうならどの程度酸化しやすいのか、研究されているのではないかと思い論文を探したところ、エゴマ油を加熱した時の酸化しやすさを研究した実験があったので紹介します。

「エゴマ油は加熱できない」はウソ

オメガ3脂肪酸を含むエゴマ油は、加熱すると酸化されてしまうから、加熱調理には向かないと言われます。

それなら、たった1分の加熱でもダメになってしまうのではないかと思ってしまう人もいますよね。⇦僕のことです(笑

しかし、全く加熱できないというのはウソで、ある程度の加熱なら問題ないことが分かっています。

神戸大学と大阪医科大学が共同で研究した内容では、エゴマ油を180℃で60分加熱しても、栄養的にも食品衛生的にも問題がないことが分かっています。

ただし、条件付きですが。

ところで、この実験がどんな方法で行われたのかを紹介します。

この実験では、料理の揚げ物を想定した内容になります。

油の酸化しやすさを知るために、酸化しやすさを表すパラメーターの測定を、料理でよく使われる大豆油とえごま油の両方で行い、比較をしました。

実験は、次の3つの状況を想定して行いました。

  1. 油だけを加熱したとき(加熱温度180℃)
  2. 揚げる食材に含まれる水分を想定して、油に水分を含んだコットンを出し入れしたとき(加熱温度180℃)
  3. 揚げる食材に含まれる栄養素を想定して、油にアミノ酸、糖、金属化合物のそれぞれを含んだコットンを出し入れしたとき(加熱温度180℃)

この3つの状況において、エゴマ油と大豆油の酸化しやすさを比較しました。

結果は、エゴマ油の方が、大豆油よりも酸化しやすい結果になりました。

ここまでは予想通りですが、加熱時間を70分とした時の、エゴマ油の酸化の程度を食品衛生法のお弁当やおそうざいの基準と比較したら、全く問題のない数値でした。

実際に、180℃で70分加熱しても、オメガ3脂肪酸のα−リノレン酸は94.5%も残っていることが確認されました。

つまり、180℃70分までの加熱なら、問題はなさそうということが分かりました。

ただし、この結果は油のみを加熱した場合です。

水や栄養を含ませたコットンを材料と仮定して、フライを行った時は、少し結果が異なりました。

コットンに、水・アミノ酸・糖、それぞれを含ませた場合は、少し酸化しやすくなった程度で、純粋な油を加熱した時と大きくは変わりませんでした。

しかし、金属化合物として第ニ塩化鉄をコットンに含ませてフライを行ったときは、明らかに油が酸化しやすくなりました。

以上の結果をまとめると、180℃で70分の加熱なら、食材に金属化合物が含まない限り、調理をしても酸化を気にする必要はなさそうです。

参考文献:エゴマ(シソ)油の加熱安定性と食品成分添加の影響

この実験で用いられたエゴマ油は、太田油脂株式会社の酸化防止剤無添加製品になります。

もしエゴマ油に興味のある方は、こちらから購入できます。

炒め物にえごま油は使えるのか?

上記で紹介した神戸大学のグループが、炒め物にえごま油を使えるのか、実験を行いました。

その結果、抗酸化剤無添加のえごま油では、180℃で3分加熱するだけで、食品衛生法の基準を超えてしまいました。

そのため、抗酸化剤無添加のえごま油は、180℃での炒め物は出来ないことになります。

なぜ、同じえごま油なのに、揚げ物油では1時間以上大丈夫なのに、炒め物だと3分でダメになってしまうのか、その理由は、油と空気が接している面積が、炒め物の方が大きいため、酸化がしやすくなるとのことでした。

しかしながら、抗酸化剤としてγ−トコフェロール、レシチン、L-アスコルビン酸パルミチン酸エステルを、それぞれ0.5%、0.5%、0.2%加えることで、180℃で5分加熱しても食品衛生法の即席麺の基準は超えないことがわかりました。

研究の結論として、抗酸化剤無添加のえごま油は、180℃での3分の加熱で酸化してしまうが、抗酸化剤を加えることで、180℃で5分加熱しても問題はないことがわかりました。

また、抗酸化剤無添加でも、180℃のになる前に食材を炒めれば、問題はないとの考察がありました。

普段の調理に利用するなら、すごい弱火での炒め物になら、なんとか使えるかもしれないですね。ただし、金属のフライパンは、避けた方が良さそうです。

それでもやはり、炒め物にえごま油は向かなそうですね・・・。

参考文献:エゴマ(シソ)油の薄膜加熱と炒め物のモデル実験における参加安定性

食事へのえごま油の取り入れ方

エゴマ油は、180℃で70分までなら、金属化合物を含まない食材の揚げ物にも使えそうです。

ただし、野菜やお肉なども金属は微量に含まれているので、できるだけ含有量の少ない食材選びが必要になります。

お肉を例にするなら、今回の実験で使った鉄が、牛バラ肉、豚ロース、鶏もも肉の中でもっとも多いのが、牛バラ肉でした。(食品データベースより)

ですが、ほかの金属類を考慮すると、あまり大きな差はなさそうです。

炒める調理に関しては、えごま油は向かないですね。

もし使うとしても、抗酸化剤の添加、温度管理、食材選び、そしてフライパンの材質選びと、気を使うことばかりなので、炒め物はやめておくのが無難でだと思います。

そうなると、加熱をしないドレッシングに、えごま油を使うことが、もっとも酸化を防ぐ方法になりますね。(色んな人がオススメしておる方法になります)

まとめ

エゴマ油は、大豆油に加えて加熱により酸化されやすい。

しかし、揚げ物を想定して180℃70分までの加熱なら、エゴマ油の熱酸化も栄養学的、食品衛生学的にも問題はない。

ただし、水や栄養素が加わった状態での加熱は、油の酸化を早めてしまう。特に第二塩化鉄を添加すると、いちじるしく酸化が進みやすくなる。

180℃での炒め物では、えごま油は180℃3分の加熱で食品衛生法的に問題になる。

えごま油の酸化を防ぎたいなら、加熱せずにドレッシングとして使うのが良い。

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