アトピーを改善する腸内環境〜短鎖脂肪酸とファイトケミカル〜

腸内環境の改善について調べると、善玉菌、悪玉菌、日和見菌、食物繊維、短鎖脂肪酸、ファイトケミカルといった言葉が出てきます。

このうち、善玉菌、悪玉菌、日和見菌、食物繊維については、言葉からなんとなくイメージできる方が多いですが、短鎖脂肪酸とファイトケミカルはイマイチよく分からないと思います。

短い脂肪?戦うケミカル?とハテナが頭の中に浮かんでいても大丈夫んです。ここでは、アトピーの改善に役立つ腸内感環境を整えるための短鎖脂肪酸やファイトケミカルが何なのかを簡単にご紹介します。

最初は、化学の専門的な内容の説明になるので、難しことはいいから、とにかくなぜ腸内環境に短鎖脂肪酸が効果があるのかを知りたい場合は、「短鎖脂肪酸が腸内環境に良いとされる理由」(クリックで移動します)からお読みください。

短鎖脂肪酸とは

短鎖脂肪酸とは

短鎖脂肪酸には、酢酸、酪酸、グルタミン酸などがあります。これだけでは分からないと思うので、どんな食材に含まれているかを下に挙げます。

  • 酢酸:お酢に含まれていて、ツンとした香りの成分です。
  • 酪酸:牛乳に含まれています。
  • グルタミン酸:旨味成分として知られており、味噌や野菜や海藻などに多く含まれています。

少し化学的な話になりますが、短鎖脂肪酸という意味をご紹介します。

短鎖脂肪酸の短鎖とは

短鎖とはその文字から分かる通り、短い鎖を表しています。それでは何が短い鎖なのかというと、それは構造に答えはあります。

下に酢酸、酪酸、グルタミン酸の化学式を記載します。

  • 酢酸の化学式:CH3-COOH
  • 酪酸の化学式:CH3-CH2-CH2-COOH
  • グルタミン酸の化学式:HOOC-CH2-CH2-CH(NH2)-COOH

ここで注目するポイントは、「CH◯」の数です。

この「CH◯」が繋がったものを化学の専門用語で炭素鎖と言い、その見た目から鎖という言葉が使われています。

ちなみに、酢酸は1個、酪酸とグルタミン酸は3個です。

この「CH◯」がたくさん繋がっていれば、長鎖脂肪酸と言います。

長鎖脂肪酸には、オメガ3でおなじみのα-リノレン酸やオリーブオイルに含まれるオレイン酸があります。

長鎖脂肪酸は「CH◯」が12個以上つながっています。

ちなみに中鎖脂肪酸というのもあります。「CH◯」が5〜11個までのつながった脂肪酸を言います。

代表的な中鎖脂肪酸には、ココナッツオイルに含まれるカプリル酸などがあります。

短鎖脂肪酸の脂肪酸とは

続いて脂肪酸ですが、こちらも化学式を見ていただきたいと思います。酢酸、酪酸、グルタミン酸のいづれにも「-COOH」というかたまりがありますよね。

  • 酢酸の化学式:CH3-COOH
  • 酪酸の化学式:CH3-CH2-CH2-COOH
  • グルタミン酸の化学式:HOOC-CH2-CH2-CH(NH2)-COOH

この「-COOH」というかたまりを持っている物質を脂肪酸と呼んでいます。

短鎖脂肪酸が腸内環境に良いとされる理由

短鎖脂肪酸とは短い「CH◯」の鎖と「-COOH」のかたまりも持った物質ということをご紹介しました。

しかし、重要な「なぜ腸内環境に短鎖脂肪酸が良いのか」さっぱり分からないですよね。

安心してください、ちゃんと短鎖脂肪酸がなぜ腸内環境によいのかを説明しますね。

  • 酢酸:腸内環境を酸性に保つことで、外から入ってきた異物や悪玉菌の増加を防ぐことができます。
  • 酪酸は、消化管の上皮細胞を増加させたり、大腸粘膜の血流量を多くすることで、腸の活動を助けます。
  • グルタミン酸は、小腸のエネルギー源となったり、アトピーと関係の深い免疫のリンパ球のエネルギー源となるので、免疫力を高めてくれます。

短鎖脂肪酸を腸に届けるには

短鎖脂肪酸は、先ほど紹介したようにお酢、牛乳、野菜や海藻などに含まれています。

だからといって、これらを食べないと腸に短鎖脂肪酸が届かないかといえば、他の食材でも短鎖脂肪酸を腸に届けることができます。

なぜなら、お酢や牛乳以外の食材でも腸に届くと、腸内細菌が食材を発酵させるので、発酵することで腸内に短鎖脂肪酸が生まれます。

そこで、腸内細菌の力を借りることで短鎖脂肪酸になる成分を含む食材をご紹介します。

  • コーンスターチ
  • フスマ (小麦 、大麦 、米 )
  • オーツ麦ファイバー
  • 豆ファイバー
  • リンゴパルプ
  • アラビアガム
  • グアーガム
  • フラクトオリゴ糖
  • ジャガイモ生デンプン

ファイトケミカルとは

ファイトケミカルとは

ファイトケミカルのファイト(phyto)は戦うという意味ではありません。ギリシャ語に由来する言葉で、「植物」という意味です。

ケミカル(chemical)を英語から日本語に訳すと、「化学」という意味になります。

つまりファイトケミカルとは、植物が作り出す化学物質のことです。

植物は、僕たち人が作り出すことのできない物質を作り出しています。それを食べているおかげで僕たちは健康を保つことができています。

ファイトケミカルの効果

ファイトケミカルには次のような効果があります。

  • 抗酸化作用:体を酸化させてシミなどの元になる活性酸素から守ってくれます。活性酸素は体の細胞と反応することで細胞を壊すため老化の原因にもなります。
  • 免疫増強作用:免疫細胞の数を増やす効果があります。また、免疫細胞自体を活性化する効果もあります。さらに、免疫細胞を活性酸素から守ってもくれます。免疫にとってこれ以上ない程ありがたい存在です。
  • ガン抑制作用:これは上記2つの作用の結果的に生じる作用でもあります。活性酸素が減ればがん細胞は生まれにくく、ガン細胞を倒すナチュラルキラー細胞の数が増えれば、ガンにもなりにくくなります。

ファイトケミカルを腸に届けるには

ファイトケミカルをどうやって腸に届けるのかというと、加熱が重要になります。

ファイトケミカルは、植物の細胞内に存在しています。つまり、植物の細胞を壊した方が体に取り込みやすくなります。

つまり、生野菜のスムージーよりも、野菜を煮込んだスープの方がよりファイトケミカルを取り込みやすくなります。

ファイトケミカルは、熱にも比較的強いため、スープで摂取することがオススメです。

まとめ

短鎖脂肪酸は、(CH◯)が少数繋がった鎖と(-COOH)のかたまりを持つ化学物質の総称

短鎖脂肪酸には、酢酸、酪酸、グルタミン酸などがある

短鎖脂肪酸には、物質それぞれの効果があり、いづれも腸に良い効果をもたらしアトピーの改善が期待できる

ファイトケミカルは、植物が作り出す化学物質のこと

ファイトケミカルには、抗酸化作用や免疫増強作用、ガン抑制作用がありアトピー改善の期待できる

参考文献

腸はぜったい冷やすな! (光文社新書) 松生恒夫著

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